外免切替の難易度上昇による特定技能外国人ドライバー採用への影響
2025年10月から外免切替の難易度が上がりました。
そもそも、外免切替が簡単すぎるということで話題にもなっており、ジュネーブ条約※に加盟していない中国などからの観光客でも、一時滞在証明を発行すれば外免切替試験を受けることができ、日本の免許取得が簡単だということで、免許取得ツアーまで開催されるという状況が問題視されていました。さらには、そういった外免切替で免許を取得した人の交通事故などが大きく取り上げられ、外免切替が簡単すぎることが問題だという論調になっていったことが今回の難易度上昇に関係しています。
試験内容の抜本的な見直し(2025年10月〜)
今回の試験内容の見直しで下記の通りの変更がおこなわれました。
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| 申込 | パスポートや一時滞在証明で申請可 | 住民票の提示を義務付け |
| 適性試験 | 変更点なし | ― |
| 知識確認 | 10問中7問の正解で合格(正答率70%) | 50問中45問の正解で合格(正答率90%) |
| 技能試験 | 基本的な運転操作(発進・右左折・停車など)が中心の簡易的な試験 | 新たな課題として、横断歩道接近時、踏切進入時が追加・強化 |
外国人材採用への深刻な影響と「6ヶ月の壁」
以上の通り、一発免許取得と同レベルの試験内容となり、日本人にとっても難しいものなのに外国人にとっては、より突破が難しい試験となってしまったため、費用は掛かるが教習所に通わせて確実に免許を取らせたいという会社が増えてきています。
理由として、海外から特定技能試験を受けて来日した方々は、在留資格が「特定技能」ではなく、「特定活動」というビザとなるため、6か月間しか日本に滞在できません。日本の免許を取得することで、「特定技能」ビザに変更することができるようになります。
では、免許取得が6か月間で完了しなかった場合どうなるのか?という質問がよくありますが、これは帰国してもらうことになってしまいます。現状、救済措置がないという状況です。なので、これをリスクと考え、費用を持ってでも、教習所や合宿に通わせて確実に免許を取得させるべきだという方向に話が向いていきます。そうなっていくと、あまりコストのかけられない中小企業では外国人採用すら難しくなっていくというよくない流れになっています。
そんな中、外免切替にこだわって採用を進めている会社があります。 中国から技能実習を終えて帰国した人たちから日本で働きたいという人を採用し、10月に来日しています。「営業所全員で免許センターに予約取得のための電話」徹底したということです。
予約の確保と優先受験の実態
とにかく予約のための電話が繋がらないということが難問となっています。電話さえ繋がれば、特定技能のための外免切替予約は優先的に受験を進めていけます。なので、しっかりと試験対策さえしておけば問題ないという考え方です。 免許センターにヒアリングを行った際も85%の回答が特定技能対象者を優先的に受験できるように対応をしているという回答がされています(弊社調べ)。とはいえ、89%の回答が合格率減少に言及しており、やはりリスクとしてぬぐい切れないものがあることは確かなようです。



