原価高騰の救いの手?!〇〇の低減が物流業界に与える影響
1年前から世間を騒がせていた、「暫定税率廃止」。ついに決着がつき、ガソリンに関しては2025年12月31日から廃止が決定しました。
- 【関連する荷主企業向け勉強会】
- ≫「ロジスティクス・リーダーシップ・サロン」の詳細・お試し参加の申込はこちら
暫定税率廃止の正式決定とこれまでの経緯
暫定税率廃止になると私たちの生活や物流業界にどのような影響があるのでしょうか。昨年のコラムも参考にしてください。
参考コラム:○○の値上げが2025年の物流業界の行く末を左右する!
ガソリンをはじめとした燃料価格は、コロナ禍後の急激な経済の回復、円安、ロシアによるウクライナとの紛争などにより、急激な価格上昇が起こりました。このような状況を受け、政府は段階的に燃料の補助金を支給してきました。市場相場を見ながら補助金の期間を延長したり、補助額を変動したりしながら、支給を続けてきました。
しかし、一時的(とはいえ、ほぼ恒久的)な補助金制度ではなく、減税の効果に着目し、ちょうど一年前のこの時期に「暫定税率廃止」の方針が合意されました。その後、具体的な廃止時期については明示されず、政府内での議論を重ねた結果、今年正式な廃止時期が決定しました。
- 【関連する荷主企業向け勉強会】
- ≫「ロジスティクス・リーダーシップ・サロン」の詳細・お試し参加の申込はこちら
軽油単価の変動と物流業界が取るべき戦略
それでは、暫定税率廃止の結果、軽油単価どのように変動するのでしょうか。 トラックの燃料として使用される軽油に関しては、小売価格(1 リットルあたり)に含まれている、17.1 円分の暫定税率が廃止されます。暫定税率廃止のタイミングで、小売価格から 17.1 円が減額されるのではなく、廃止の時期に向けて、段階的に補助金が支給されます。暫定税率廃止日になったタイミングで補助金が終了となり、前提税率廃止が適用される仕組みです。
先ほど、軽油の暫定税率は 17.1 円とお伝えしましたが、補助金の適用イメージは以下のとおりです。 2025年11月13日~26日 現状の補助金額 10円にプラス5円(補助金額15円)が適用 2025年11月27日~2026年3月31日 前日までの補助金額にプラス2.1円(15円+2.1円=17.1円)が適用 しかし、補助金額の増額をしても、単純に暫定税率分の 17.1 円安くなるとは限りません。なぜならば、日本国内の燃料価格は、原油価格、為替、社会情勢(産油国の景気、経済情勢など)が大きく影響しているからです。荷主企業としては、燃料価格が下がるので、運賃も下がる、といった安易な考えはしないほうがよいでしょう。
これまでの運賃は低価格ゆえに、標準的運賃や適正原価の検討が進んできたことが背景としてあります。目先のコストアップ・コストダウンに一喜一憂するのではなく、長期的な視点で考えた場合のコストのベンチマークを各社どのように設定するのか、そのコストに抑えるための物流戦略(拠点、委託先、取引内容、サプライチェーン全体の改善など)を考えなければならないということ、ぜひ意識しましょう。
さいごに
船井総研ロジではロジスティクス・リーダーシップ・サロン(LLS)を運営しています。その中で、まさに今注目されているCLOの設置状況や、先進的な企業の取り組み事例について情報交換会を行っております。



