その物流、時代遅れになっていませんか?未来を勝ち抜くための「物流体制の再構築」

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寺西 賢矢

船井総研ロジ株式会社
ロジスティクス支援部 CLO支援チーム

本コラムでは、昨今の物流の変革期、ビジネスに求められる物流機能の役割の変化において、「DX・自動化」「物流フロー・ネットワークの最適化」を切り口とした未来を勝ち抜くための「物流体制の構築」に必要な3つの視点についてご紹介しますさせて頂きます。

昨今の「物流2024年問題」「物流効率化法」に象徴されるような、今、日本の物流は大きな変革の岐路に立たされています。 かつては「コストセンター」と見なされ、コスト削減ばかり追求されていた物流部門に対し、顧客ニーズの多様化、テクノロジーの進化、そして深刻化する人手不足といった外部環境の激変により、その役割は根本から見直されようとしています。

従来の改善活動の延長では対応が困難な今、事業の根幹を支える「物流体制の再構築」が急務です。

▼なぜ今、「再構築」が必要なのか?

 ビジネス環境の変化が、物流に新たな役割を求めています。

多様化する顧客ニーズ:
当日配送、送料無料、個別対応など、物流が顧客満足度を左右する重要な要素となります。

深刻化する労働力不足:
ドライバーや倉庫作業員の不足が深刻化し、従来の労働集約的なモデルが限界にきております。

テクノロジーの急速な進化:
AI、IoT、ロボティクスといった技術が、物流のあり方を根本から変える可能性を秘めております。

高まるサステナビリティへの要請:
脱炭素化や循環型経済への対応など、SDGs への取り組みや、ESG 経営をはじめ、環境・社会へ               の配慮が企業の評価軸となりつつあります。
 

これらの変化は、物流を単なる「機能」から、企業の競争力を生み出す「戦略的基盤」へ進化しています。 

▼未来を勝ち抜く物流体制へ。再構築の 3 つの視点

  これからの物流体制の構築には、以下の 3 つの視点が欠かせません。

デジタル化・自動化による「省人化と標準化」
WMS(倉庫管理システム)や TMS(輸配送管理システム)の導入はもちろん、AI による需要予測、ロボットによる庫内作業の自動化など、テクノロジーを活用し、人に依存しないオペレーションを構築します。これにより、生産性が向上するだけでなく、業務品質の平準化も実現できます。

顧客体験を最大化する「価値創造物流」
物流を「コスト」ではなく、顧客体験を高めるための「投資」と捉え直します。緻密な在庫管理による欠品防止、柔軟な配送オプションの提供、丁寧な梱包など、物流品質の向上が、ブランド価値そのものを高めます。

変化にしなやかに対応する「ネットワークの最適化」
BCP の観点から、特定の拠点や輸送網に依存するリスクを分散させると同時に、データ分析に基づいて、需要変動に合わせた最適な拠点配置や輸送モードを見直します。これにより、効率性と強靭性を両立したサプライチェーンを構築します。


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寺西 賢矢

船井総研ロジ株式会社
ロジスティクス支援部 CLO支援チーム

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