迫る2026年問題、物流現場(倉庫)が問われる責任とは
2026年4月「物流効率化法」が本格適用され、特定荷主に対する法的な責任と取り組みが義務化されます。荷主企業は法対応への「遅れ」が経営リスクに直結する可能性が高く、その危機感は各社で浸透しつつある一方、実際のアクションにはばらつきがあるのが実情です。
本稿では物流効率化法対応に向け、荷主企業が求められる変革と物流現場の根幹である庫内オペレーションに着目し、荷主企業が管理すべきことをお伝えします。
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「物流効率化法」で変わる荷主企業の責任
物流効率化法の要点はこれまで物流事業者及び倉庫事業者に責任が集中していた状況から、荷主企業にも改善責任が明文化され、義務又は努力義務として課されるようになるという点にあります。
具体的には、荷待ち・荷役時間の削減、業務プロセスの効率化、物流KPIの可視化・共有といった取り組みが法的に「努力義務」として位置づけられます。また一定規模以上の荷主企業(特定荷主)に対しては、これらに加え、物流統括管理者の選任や中長期計画の策定、定期報告の提出といった義務が新たに課されることになります。
実施状況が不十分なもしくは改善が見られない企業に対しては、行政指導や企業名公表といった対応がなされることもあります。
昨今では「運べない、ドライバー不足」といった問題が注目される中で、その根本的なボトルネックとなっているのが、庫内オペレーションの非効率です。
荷主企業は単に物流コストを削減するための効率化ではなく、自社が管理すべき業務領域として庫内オペレーションの最適化を進めることが、法対応と事業継続の観点から不可欠になってきます。庫内オペレーションの最適化とは、物流現場(倉庫内)をブラックボックス化させず、可視化・標準化・分析可能な状態にすることを指します。
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7つの管理項目で庫内業務を可視化
実際、多くの荷主企業は「自社の物流を適正に管理し効率化したい」と考えていても、これまで委託先に依存し、物量データや庫内作業内容などその実態を把握しておらず、何から着手すべきかわからないといったケースが非常に多くあります。
しかし今後は、荷主企業自らがこれらの情報を「収集・分析・改善」できる状態にしておく必要があります。そこでまず重要となるのが、庫内業務の現状把握です。以下は現状把握における主な数値化すべき管理項目です。
【主な倉庫荷役・作業数値化項目】
- ① 作業単位当たりコスト
- ② 作業単位当たり工数
- ③ 時間当たり作業生産性
- ④ 時間当たり人工・コスト
- ⑤ 作業員別生産性
- ⑥ 品質指標(誤出荷率やPPM等)
- ⑦ 日次収支
上記は主な管理項目として挙げていますが、これらの指標を定量的に把握することで、庫内改善に向けた土台が整い、改善効果をコストや時間、人工で表すことができます。
さいごに
船井総研ロジではこうした2026年問題への対応を見据えた庫内改善の可視化・分析・仕組みづくりを支援する「物流リスク診断」がございます。現場診断から業務標準化、システム連携の検討など、業種業態問わず荷主企業の課題に合わせて最適なご提案を致します。
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