バングラデシュ60人面接で見えた特定技能ドライバー採用の実態

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鈴木 陵

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネス支援部
物流HRグループ ダイバーシティチーム コンサルタント チームリーダー

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この度、外国人ドライバー採用面接のためバングラデシュまで行ってきました。現地では日本でドライバーとして働きたい方々が60~70名集まり、現地の熱気を肌で感じてくることができました。

ずっとニコニコしてハキハキと回答出来る人、緊張して顔がこわばっている人、日本で働くことを夢見て独学で日本語を勉強してきている人、面接慣れしておらず、腕組みを注意される人などなど、色んなタイプの人たちを見てくることができました。

ドライバー採用の候補地としてバングラデシュが有望な理由

バングラデシュの人口は約1億7千万人、国土は日本の約40%程で、人口密集度が非常に高い国として有名です。そういう実態もあり、海外への出稼ぎ労働は比較的一般的な働き方のひとつとして定着しています。今回面接を受けていた一部の方も中東でトラックに乗っていた経験がありました。

バングラデシュ国内の産業として有名なのが縫製業です。バングラデシュの縫製業は世界2位の規模で、バングラデシュで縫製された衣料製品は8割が世界中に輸出されています。そういった製品の物流を担う人々がバングラデシュ国内にもたくさん存在しています。

こういった背景が今回バングラデシュでの面接を選んだ最大の理由のひとつです。現役でドライバーとして働いている人を集め、20人以上面接していい人材を選べるということが重要だと考えています。他の国でも同様の形を取っていきたいと考えて現在準備中です。

特定技能ドライバー採用を成功させる「4つの重要ポイント」

特定技能外国人ドライバーの採用にあたって、重要なポイントがあります。

受け入れ企業は「働きやすい職場認証」または「Gマーク」を取得していて、自動車運送業分野特定技能協議会の構成員になること
特定技能を取得したい外国人は①日本語検定N4取得、②特定技能試験に合格している。また一旦、特別活動ビザを取得することができ、日本に来ることができる
特定活動ビザの有効期限は6か月間、この間に日本の運転免許を取得して特定技能ビザへの切替をしなければならない
日本の免許取得する方法としては①教習所に通う、②免許取得合宿に参加、③外免切替(海外での運転免許を持っていることを証明し、日本で運転しても問題ないことを確認する試験を受けて合格する)というパターンが存在するが、①、②に関しては費用と日本語力が必要となり、③は一発合格を目指すだけの運転ルールを把握しておく必要がある

特に3,4のハードルが非常に高いと言われているのが今回の特定技能外国人ドライバーです。海外からの入社に向けた検討をするにあたっては、現地でどれだけ日本の運転ルールを学んで来れるかという点がキーポイントになってきます。そのためには現地側のパートナー選びが最重要のポイントです。

さいごに

深刻化するドライバー不足に対し、外国人採用は有力な選択肢です。大切なのは、言語や免許取得の課題を共に乗り越え、彼らを仲間として迎え入れる体制をいかに築くか。信頼できる現地パートナーとの連携が、その土台となります。

【関連資料】外国人ドライバーの受け入れが始まる~特定技能制度の現状と実態~

本資料では、特定技能と技能実習の違い、外国人ドライバ―受入れにあたり留意すべき事項、今後の展望などくわしく解説します。

  • 【資料を読むと下記のようなことがわかります】
  • ・特定技能制度とは
  • ・特定技能と技能実習の違い
  • ・外国人ドライバ―受入れにあたり留意すべき事項
  • ・ドライバー出身国の選定基準
  • ・いまだ不明確で注意すべき点と今後の展望

【関連する研究会】ロジスティクスプロバイダー経営研究会

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