新モーダルシフトの推進 荷主企業が準備すべき2つのこと

井上真希

Pen Iconこの記事の執筆者

井上 真希

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

製造業・小売業・ECを中心とした荷主企業に対して、物流倉庫の改善提案・在庫の適正化・管理の提案を行っている。また、物流子会社の評価や在庫管理・分析を得意とし、分析を軸にした物流改善にも従事。近年は、サステナビリティ・ESG領域における専門的な物流コンサルティングにも取り組んでいる。​

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2024年問題への対応が迫られる中、その解決策の1つに「モーダルシフト」が推し進められています。その取り組みの前段階として、情報の見える化が荷主企業には求められています。

今回はモーダルシフトの検討にあたり、荷主企業が準備すべき2つの取り組み内容についてお伝えします。

多様な輸送モードを活用した新モーダルシフト

国土交通省は10月31日、第6回モーダルシフト推進・標準化分科会を開催し、物流分野におけるモーダルシフトの促進に向けた対応方策の素案を提示しました。

鉄道と内航海運へのモーダルシフトに加えて、航空輸送が加わり、陸海空のあらゆる輸送モードを駆使し、環境負荷低減や物流効率化を目指すための意見交換が行われました。

多様な輸送モードを活用した新たなモーダルシフト(新モーダルシフト)の推進は資料①にてポイントを整理しています。

新モーダルシフトの推進 荷主企業が準備すべき2つのこと

資料①新たなモーダルシフトに向けた対応方策(素案)のポイント(国土交通省)より引用

荷主企業が準備すべき2つの取り組み内容

1.自社の物流の可視化

物流フローチャートを作成することを推奨しています。以下資料②が作成のイメージになりますが、仕入~販売までの荷動きを拠点経由地別に物の流れを可視化し、数値(物量とコスト)も入れて、自社の物流実態を見える化させることが第一歩です。

都道府県別に出荷物量を把握し、輸送距離500㎞以上のエリアを把握します。モーダルシフトは長距離輸送と言われる「500㎞以上」の距離帯がコストメリットを出やすい傾向となります。

また輸送モード別の特性がある為、自社の製品の大きさや荷扱いの特殊性を把握しておく必要があります。

2.物流の情報整備・データ化

上記、物流フローの作成にも関わる内容ですが、自社の物流データを整備する必要があります。

「物流コストは把握できているが、積載効率や品質管理などは外部の委託企業に一任している為、商品別及び配送単位別に物流コストは把握していない」といった企業をよく耳にします。

こういったブラックボックスにより、データ化や情報整備が進まないという課題もあるかと思いますが、これら物流データから課題の把握や改善策の実行ができる状況を整えておく必要があります。

新モーダルシフトの推進 荷主企業が準備すべき2つのこと

資料②物流フローチャートのイメージ <船井総研ロジ作成>

上記は自社の物流の可視化やデータ整備が目的ではなく、モーダルシフトを検討する上で必要不可欠となる取り組みであり、自社の物流課題に対して改善活動を進める下準備としても必要なことです。

今後更に、政府や国交省などの後押しで、モーダルシフトによる環境負荷低減や物流効率化が推進されることが予想されます。

さいごに

弊社では2024年問題対応として、航空輸送の観点から解決策の提案を進めるANA Cargo株式会社 とモーダルシフトの事例をまとめたセミナーを開催します。

輸送手段の見直しに関心がある荷主企業様が「コストを最適化しつつ、2024年問題対応及び航空輸送への切り替えをどのように進めるのか」を知ることができる機会となりますので、ぜひご参加ください!

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  • ✔2024年問題への対策を検討しているが何から着手すべきか優先順位が整理できていない
  • ✔長距離輸送の輸送モード切替を検討しているが、従来のリードタイムを確保したい
  • ✔これまで航空輸送を利用しておらず、 活用時の物流効率及びコストへの影響を知りたい
  • ✔航空輸送の利用イメージがわからない、活用メリットを知りたい
  • ✔他社がどのように航空輸送を活用しているのか具体的な事例を知りたい

井上真希

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井上 真希

船井総研ロジ株式会社 ロジスティクスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

製造業・小売業・ECを中心とした荷主企業に対して、物流倉庫の改善提案・在庫の適正化・管理の提案を行っている。また、物流子会社の評価や在庫管理・分析を得意とし、分析を軸にした物流改善にも従事。近年は、サステナビリティ・ESG領域における専門的な物流コンサルティングにも取り組んでいる。​

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