止まらない物流コスト!トレンドを抑えて先手を打つ方法とは?
2024年問題が始まり、半年が経ちました。運賃をはじめとした各種料金改定(値上げ)の動きは止まりません。さらなる値上げを後押しするのが、毎年10月頃に厚生労働省から発効される、都道府県別の最低賃金です。最低賃金の上昇が物流業界においてはトラックドライバ―や庫内作業員の人件費上昇につながります。
その結果、荷主企業と物流企業が契約している単価の改定(値上げ)に至ることが容易に想像つきます。
目次
最低賃金の推移がもたらす物流業界の実態
ここでは、最低賃金の推移を見ていきます(図1)
▼図1 2019年~2024年における最低賃金の全国平均値推移
図1の推移を見ると、2019年~2020年はコロナ禍の影響もあり、最低賃金に大きな変動はありませんでした。しかし2021年以降は右肩あがりに上昇し、2024年においては、前年比5.1%アップ、2019年対比では、約17%も時給単価が上昇していることになります。
これは物流業界だけでなく、全産業において関係することです。また、「人手不足」に関しても、どの業界にも共通している課題です。これらの要素がさらに強まり、他業界と比較して“労働時間が2割長く”、“給与は1割低い”と言われている物流(運送)業界では、深刻な状況です。
このような社会の変化に対して、荷主企業が配慮すべきことは、実態(危機感)を正しくとらえ、行動に移していくことになります。具体的にどのようなことに取り組めばよいのでしょうか。
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荷主企業が配慮すべきこと・取り組むべきこと
1.原価上昇のトレンドを正しく捉える
最低賃金の上昇でも示したように、原価上昇に影響する動向について、情報収集をし、実態を把握することです。最低賃金だけでなく、軽油単価、車両費なども物流コスト上昇に影響する要素です。先を予測することは難しくても、現状を知ることから始めましょう。
2.自社として対応策を決める
1.で情報を収集後、どのようなアクションが必要かということになります。価格が上昇基調の中、単価の安い運送会社をひたすら探す、もしくは、既存委託先に対して安い価格を引き出すことはNGです。安い価格を引き出して、コストを削減する時代ではありません。
コストを抑制する仕組み、例えば、傭車に頼らず自社便を中心とした運行をしている、採用難に陥らずドライバ―を安定して雇用・定着できているなどの視点で委託先の選定や見直しを進めることも、持続可能な物流を構築するうえでは重要です
3.社内への理解を深める
然るべき対策を決めても、実行できなければ意味がありません。そのためには物流部門だけで行動をするのではなく社内関係者の協力を仰ぐ必要があります。最初にトップの理解を深めること、さらにはそこから、各部門に対して取り組むべきこと、顧客との交渉や、各部門での効率化策などに落とし込なければなりません。まさに、「CLO(≒物流統括管理者)」の存在が必要不可欠となります。
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さいごに
自ら情報を取りにいき、行動に移せるかどうかが、今後の自社の物流を左右すると言っても過言ではありません。「経営の理解が難しい」「自社には関係ない」「言っても無駄だ・・」と言っているうちは何も変わりません。むしろ後退する一方です。時には大胆に、また、スピーディーに行動に移せるかどうかが、企業の変革を進めることにつながります。
まずは、行動に移すことから始めてみませんか。
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本コンテンツでは、標準的運賃設置の目的や適正運賃の算出方法、物流企業との運賃交渉の際にどこまで値上げを許容すべきか、具体的なポイントをくわしく解説します。