荷主企業が意識しておくべき積載率とは
輸送効率を示す指標の一つとして、積載率が用いられます。昨今、人手不足や配送の多頻度小口化、燃料費の高騰など物流業界を深刻化させる課題が多く見受けられる中で、荷主企業は自社にとって最適な手段を講じることが必要です。
そこで今回は、効率的な輸送を実現するべく積載率を高めるための取り組みについてご紹介します。
- 船井総研ロジでは持続可能なロジスティクスの構築を実現し、市場における自社の優位性を高め、企業の持続的成長に貢献します。
- ≫ESGロジスティクスコンサルティングの詳細を見る
積載率とは?
積載率とは、各輸送モードの最大積載重量に対して、実際に積載した貨物重量の割合を指します。積載率は、数値が高いほど効率的な輸送であるということになります。
積載率は貨物の重量(実際に積載した貨物量)と各輸送モードの最大積載量から算出できます。例えば、最大積載量10tのトラックに荷物を5t載せて輸送した場合、積載率は50%となり満載時(100%)に比べて半分しか積めていません。輸送効率を上げるためには、いかに積載率を高めるかがポイントです。
≫【関連資料】「ロジスティクスにおけるESG実行の手引き」をダウンロードする(無料)
近年の積載率
では、国内において貨物輸送量が最も多いトラック輸送の積載率は、近年でどのように推移しているのでしょうか。
国土交通省が公表している「自動車輸送統計調査」より積載率を算出すると、2022年の積載率は39.7%となっており、2000年と比較すると、22年間で約10.5%低下していることがわかります。
なぜ積載率が下がってしまっているのか。要因として、日本人口の減少による国内総貨物量の減少やEC市場の拡大による輸送の多頻度小口化が挙げられます。
これらの実態から、荷主企業は効率的な輸送を目指し、積載率向上へ取り組みことが求められます。
積載率向上への取り組み3選
1.運行管理の徹底と見直し
まずは、車両の行き先や走行距離、積載率など、運行状況を把握する必要があります。現状を把握するためには、ドライブレコーダーのGPS機能を用いた確認や出荷実績など物流データの正確な管理を徹底しましょう。適切な運行管理を行うことで、荷台の空きスペース活用や荷物の集約など、効率的な輸送が可能となります。
2.輸送条件の緩和
納品日や時間の指定は、輸送の小口多頻度化につながる恐れがあります。納品条件を緩和し、荷物の集約や他納品先との輸送日を調整できれば、積載率を高めるだけでなく輸送回数を減らすことにもつながります。
ただし、条件緩和のためには、納品先への協力要請が必要です。先方へは条件緩和によるメリットや建設的な意見の提示が必要であり、そのために日頃から良好な関係性を構築することも重要でしょう。
3.共同配送の実施
共同配送とは、複数の荷主企業が一台のトラックに自社の荷物を積め合わせて輸送することです。トラックの空き荷台スペースに互いの荷物を積み合わせることで、トラック一台の積載効率を上げることができます。近年では、同業種だけでなく、異業種間においても共同配送が積極的に行われています。
共同配送は、輸送効率向上のほかに、トラックのCO2排出量削減が期待できます。ESG経営の推進を検討している企業にとっては、大きな第一歩と言えるでしょう。
≫【関連資料】「ロジスティクスにおけるESG実行の手引き」をダウンロードする(無料)
最後に
積載率を向上させることは、効率的な物流を実現するだけでなく、ESG経営の一歩へとつながります。皆さんで地球にやさしいサステナブルな物流を目指しませんか?
- 船井総研ロジでは持続可能なロジスティクスの構築を実現し、市場における自社の優位性を高め、企業の持続的成長に貢献します。
- ≫ESGロジスティクスコンサルティングの詳細を見る