拠点配置における最適な立地と見落としがちなポイントとは

「自社の物流拠点配置は果たして効率的なのか?他社はどうなのか?」一度はそのように考えられたことはないでしょうか。拠点配置の見直しは頻繁に実施できることではないため、社内にノウハウが溜まらず、拠点配置の“最適“基準を明確に説明できる人は少ないのが実態です。

そこで本コラムでは最適拠点配置立案をスムーズに進めるための「拠点配置検証」に対する考え方をお伝えいたします。

“最適“の答えは一つではない

最適な拠点とは、一言でいうと「目指したい姿や状況を実現できる拠点」です。つまり最適拠点の基準は1つではなく、各社に違った答えがあります。拠点配置検証では、第一にこの答えを社内で整理・合意することが重要です。

理想とする答え、コンセプトが定まらないまま、コストや倉庫の空き状況などから拠点配置を検討しては、自社にとって最適かどうかの判断ができません。

また、拠点配置検証は物流部門単体で行えるものではありません。調達面では生産部門、納品条件では営業部門といった、物流拠点決定を取り巻く環境整理を考慮すると、他部署との連携が必要であることが一般的です。

そのため物流担当者は自社の目指したい姿の解像度を高め、経営層はもちろんのこと、関係各所と連携や合意を取り“最適”を明文化した上で進める事が必要です。

得意先分布を軸とした拠点の数と立地の考え方

最適な拠点の定義と同様に、拠点の数についても考え方は様々です。最適な拠点数は各社の得意先・納品特性によって異なります。そのため、まずは得意先分布を把握する必要があります。例えば、リードタイム(いつまでに届けるか)や納品先分布(どこに届けるか)といった項目だけでなく、物量(どのくらいの量を輸送するのか)や配送網(誰が輸送するのか)などの情報も重要です。

これらのデータを集め、先に述べたコンセプトに則って検討できれば、必要な拠点の数と自社に適した立地を明確にすることができます。

≫【関連資料】「失敗しないための倉庫移転マニュアル」をダウンロードする(無料)

拠点配置において見落とされがちなポイント

拠点配置を検討するには立地以外にも考慮すべき点があります。例えば、BCP対策です。自然災害等の予期せぬ事態によって拠点機能が止まると莫大な機会損失が生まれます。BCP対策はコストを要するため、どの程度までリスクに備えるべきかを想定したうえで、その影響とコストを検証すべきです。

また倉庫周辺の輸送インフラの整備状況や人材確保の難しさなども見落とされがちなポイントですが、このような要素も総合的に考慮してこそ、販売政策をバックアップする拠点設計と倉庫運営を実行できると言えます。

さいごに

船井総研ロジでは、「物流拠点配置」にテーマを当てたメルマガシリーズを定期配信しています。是非、次回以降も拠点配置メルマガをお読みください。物流拠点配置に関する検討のポイントを様々な角度でお伝えいたします。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

ページの先頭へ