ESG経営を脅かす?物流倉庫で多い〇〇
昨今、ESG経営実行の重要性が高まる中で、多くの企業が取り入れやすいのが従業員の働き方に関わる「S(Social:社会)」の項目になります。中でも、従業員にとって安全に働ける環境を整えることは大切ですが、物流倉庫における事故は年々増加しているのが現状です。
では、物流倉庫においてどのような事故が起こり得るのでしょうか?発生の要因と、具体的な対策まで解説していきます。
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目次
物流倉庫での事故防止対策に注力すべき理由とは?
物流倉庫での事故は年々増加しています。中央労働災害防止協会が発表している「労働災害分析データ」によると、倉庫業における2022年の災害発生件数は821件であり、前年2021年の781件から1年間で40件増加しています。
さらに、型別災害発生件数(グラフ1)をみると、2022年には転倒災害が226件、激突災害が77件発生しています。対2017年と比較すると、転倒事故は+71.2%、激突事故は+102.6%の増加率になります。
これらの実態から、物流倉庫での事故件数は増加傾向であり、物流倉庫の運営に携わる企業は日頃から事故の予防策を講じることが必要です。
【グラフ1:事故の型別発生件数】
物流倉庫で多い事故トップ3
1.視界不良による衝突
周囲の視界不良により、作業者が衝突事故を起こしてしまう恐れがあります。
例えば、カゴ台車を使ってピッキングを行う場合、一回のピッキング数が多いほど台車にある程度の高さまで荷物を積むことになり、作業者によっては自身の身長を超す高さとなります。その状態まで荷物を積み上げたカゴ台車を押しながら動き回れば、前方の視界は見えづらくなり、他の作業者や荷物、保管棚へ衝突してしまうかもしれません。
2.荷物の落下
飲料や衣料など重い荷物や大きい荷物を運ぶ際に、自分の脚に荷物を落としてしまい怪我をするケースがあります。瓶の飲料やガラス商品を落とし割れてしまった場合は、ガラス片による怪我など二次被害に発展する恐れもあります。
また、自分自身が荷物を落とさなくても、高所の保管棚から落下してきた荷物にぶつかって怪我をする可能性も考えられます。
3.フォークリフトの接触
フォークリフト同士やフォークリフトと作業者による接触事故も、よくある事故の一つです。特に出会いがしらや後方からの追突など全く予期せぬ事故は、最悪の場合、命の危険性もあります
事故対策をご紹介
1.声かけによる注意喚起
声かけは接触事故に対する一番の防止策です。作業者はつい目の前の作業に集中してしまい、視野が狭くなりがちです。そこで、「後ろ通ります」「右に曲がります」など、自分の動きを発信することで、作業者は聴覚から相手の動きを察知し、注意を払うことができるでしょう。
2.庫内の整理整頓
庫内が整理されていないと、事故が起きる可能性が高くなります。
例えば、棚の手前ギリギリの位置に荷物が置かれている場合、地震の揺れやちょっとした衝撃で棚から荷物が落下してくるかもしれません。何を・どこに・どのように置くのか明確にし、決められた場所以外には置かない、もし置かれている場合は注意喚起・置き直しすることが大切です。
整理整頓の行き届いた倉庫では、保管効率の向上にもつながるでしょう。
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3.フォークリフト運行ルールの取り決め
フォークリフト運行時の動線や通路、走行速度など厳密なルールを決め、庫内で徹底することが大切です。また、作業者に対してもフォークリフト侵入禁止エリアや横断帯を設け、可能な限りフォークリフトと作業者の活動範囲を区分けできれば、接触事故の大幅減少につながるでしょう。
物流倉庫での事故防止は、大切な従業員に安全な環境を提供できるだけでなく、庫内の保管・作業効率の向上にもつながります。ESG経営を通して、安全で働きやすい環境を目指しませんか?
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