建設コスト・工期削減!物流会社のテント倉庫活用方法

Pen Iconこの記事の執筆者

柴田 純平

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

運送・物流会社を専門に「デジタル化」をメインテーマとしてコンサルティングを行っている。企業規模や課題・目的にあわせた、最適なデジタルシフトの提案や、デジタルツール導入支援を得意としている。特に、AI-OCR・RPA・BIなど、本当に現場で使えるデジタルツールの策定ノウハウを数多く持っている。

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

中継拠点や拘束時間削減など2024年問題の対策として、新しく物流倉庫の建設を考えている物流会社も少なくないでしょう。 しかし、近年、建築資材や職人の人件費など、建設コストが高騰しています。そのため、コストを抑えて建設ができる「テント倉庫」に注目が集まっています。

そこで、本コラムでは「テント倉庫」について解説します。

物流倉庫建築の現状

一般財団法人 建設物価調査会により公表されているデータによると、倉庫建築費指数は約28ポイン・建築資材物価指数は約33ポイント上昇しており、建築コスト・建築資材コスト共にアップしています。

※2015年5月12日を基準(=100)とした際の2023年5月の指数を記載。 https://www.kensetu-bukka.or.jp/indexgraph/index.html

また、一般的に、1,000㎡級の倉庫であれば着工から竣工まで約120日の工期が必要とされており、その間売上アップに繋げることもできないため、スピード感を持った物流サービスの提供が難しい場合が多いです。テント倉庫の活用により、これらのデメリットを解決することができます。

テント倉庫がもたらすメリット

テント倉庫を活用する際のメリットを4つに分けて紹介します。

1.建設コスト削減

テント倉庫の建築においては、一般倉庫と比較すると比較的安価な建築資材での施工が可能です。また、建築工期が短く作業がスピーディーに進むため、作業コスト(人件費)も削減することができます。また、倉庫自体も軽量になるため、軟弱地盤でも杭工事が不要となる場合があります。これにより、1,000㎡級物流倉庫の建設コストであれば最大40%削減を実現します。

2.工期のスピードアップ

テント倉庫の建築には使用する部材の点数が少なく、工場加工で加工済みの完成品として出荷されるため、現場での追加加工が必要ありません。規格化された構造により、現場作業が早く行われるため、工期を短縮することができます。1,000㎡級物流倉庫の工期であれば、最大50%の削減を実現します。

3.電気代削減

施工時に使用される膜材料は可視光を透過するため、日中の自然光の取り込みが良くなります。そのため、作業内容によっては、昼間の照明が不要になるほど明るい空間を実現できます。そのため、電気代の削減を実現するだけでけでなく、明るく安全な環境での倉庫作業が可能になります。

4.税制優遇措置の対象

中小企業等経営強化法に基づき、「経営力工場計画」を策定し申請のうえ、認定を受けますと即時償却または税額控除が受けることが可能です。費用的な面から、今までテント倉庫などの設備導入に踏み出せなかった企業様にとっても、魅力的な優遇税制となっています。

物流会社の活用方法

物流会社のテント倉庫活用方法として、方法が挙げられます。

①柔軟な倉庫活用の提案

建設コストが低く・工期も短いため、需要に応じて迅速に新たな倉庫を設置することが可能です。そのため、急な需要増加や新たな荷主企業との契約に対応する際に、柔軟な拡張が可能となり、荷主企業や自社の拡大や成長に対応することができます。

②物流コストを抑えた提案

建設コストと運営コストの削減も期待できるため、コストメリットのある保管費用の設定が可能となります。そのため、立地の優位性や機能面で劣る倉庫であっても、荷主企業に対して魅力的な提案を実施することが可能です。

③環境配慮の推進

テント倉庫は省エネ効果により、環境への負荷を軽減することができます。これにより、物流会社は環境への配慮を示すことで、ESGやSDGsの推進にも貢献します。環境に対する取り組みは、お客様や取引先との信頼関係を築く上でも重要な要素となります。

まとめ

建設コスト・建築資材コスト・運営コスト等、今後も倉庫事業については原価の高騰が想定されます。主企業の要望に対応しつつ、スピーディーな事業拡大を図る上でも、テント倉庫の導入を検討されてみてはいかがでしょうか?

関連資料 /【無料ダウンロード】物流企業の時流適応戦略2023年

物流企業の時流適応戦略2023年

2024年以降勝ち残る物流企業は2023年にどんな取り組みを行うのか。目前まで迫った時間外労働の上限規制の影響はもちろん、「改善基準告示」の改正、脱炭素物流への関心など、物流企業の経営者がいま押さえておくべきトピックについてまとめました。

建設コスト・工期削減!物流会社のテント倉庫活用方法

サービス/ロジスティクスプロバイダー経営研究会

概要
業績アップに特化した物流企業が集まる経営研究会!船井総研ロジが主催する研究会は、日本の物流業界をけん引する企業が一堂に会し、業績アップのノウハウを学びます。
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/society/
建設コスト・工期削減!物流会社のテント倉庫活用方法

サービス/物流企業向けコンサルティング

概要
当社が有する以下のノウハウを最大限に活用し、コンサルティングサービスを提供しています。物流業界に特化し、全国で300社以上の物流企業の業績アップコンサルティングを展開しています。
詳細
https://www.f-logi.com/butsuryu/consulting/

Pen Iconこの記事の執筆者

柴田 純平

船井総研ロジ株式会社 物流ビジネスコンサルティング部
チームリーダー チーフコンサルタント

運送・物流会社を専門に「デジタル化」をメインテーマとしてコンサルティングを行っている。企業規模や課題・目的にあわせた、最適なデジタルシフトの提案や、デジタルツール導入支援を得意としている。特に、AI-OCR・RPA・BIなど、本当に現場で使えるデジタルツールの策定ノウハウを数多く持っている。

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

その他の記事を読むArrow Icon

人気の記事

ページの先頭へ