物流コンサルタントの視点 2018.11.01

「こんなの聞いていない!」と言われないようにするためには?~RFPに明記しなければならないこと~

委託先選定の物流コンペを行い、この度新たなパートナーと組むことになった荷主企業A社。

詳細検討を進めるにあたり、荷主企業とともに、新パートナーが既存委託先の現場へ訪問し、改めて業務内容のヒアリングを行いました。

すると、コンペの時には聞いていなかった業務内容が次から次へと出てきました。

新パートナーからは、「こんなの聞いていない!」そして、「再度見積もりを提示させてください」との結末に。

コンペで委託先選定時、当然コスト重視で選んだわけではなく、定性面(品質、サービスレベル等)も考慮したうえで、かつコストも廉価な委託先を新たなパートナーとして決定しました。

しかし、今回の追加見積により、当初より想定していたコストダウン効果が薄まり、場合によってはコストアップの可能性になる恐れが・・・荷主企業の物流担当者は頭を悩ます、という結果に。

これは実際にあった話で、弊社に寄せられた物流コンペに関するご相談でした。新パートナーから「そんなの聞いていない!」と言われてしまった理由、それは荷主企業が作成したRFPに問題がありました。

物流企業へ委託する業務内容の一部に記載漏れがあったようです。

正確にいうと荷主企業も認識していない業務が物流現場では行われていました。

なぜ荷主企業側が認識していない業務が存在したのでしょうか?その理由としては、2つあります。

1つ目は、荷主企業側の担当者が変わるなかで、委託先へお願いしている業務内容が、荷主企業の中でうまく引き継がれずに、全てが網羅できていなかったという状況です。

2つ目は、当初業務を行っていた既存委託先ではサービスの一貫として無償で行っていたため、費用は発生していませんでした。現状、無償で対応してくれていることなので、新しいパートナーも無償で対応してくれるだろうという荷主企業の思い込みで、RFPには記載していなかったという状況です。

この場合、既存と同じく、無償で対応するパターンもありますが、作業に対する料金は見た目上発生していなくても、別の費用項目に含まれている可能性もあります。

「事務作業料」「管理料」という曖昧な費用項目に含まれているかもしれません。

作業内容が曖昧な費用項目は、改めて明確にする必要があります。また、2つ目の理由に関して言うと、荷主企業が物流企業へ委託する業務に関して、無償で対応するか否かは、荷主企業ではなく、実際に業務を行う物流企業が判断することです。

これぐらい無償で対応してくれるだろうという勝手な思い込みにより認識の差が生じているのが現実問題です。

業務を行う人(企業)が変わるとこれまで無償で行っていたことも場合によっては、費用が発生する可能性が高くなります。

人手不足のこのご時世、人の確保に苦労する中、限られた人材で業務に対応しなければならず、無償でサービスを請け負うことは非常に厳しい状況です。

場合によっては、荷主企業側で一部の作業を負担するケースも出てくるでしょう。

現状、費用の発生有無にかかわらず、自社ではなく委託先が行っている作業は可能な限り全てを網羅して、新しいパートナーへ引き継げるように準備をしておきましょう。

そして、委託先の選定は慎重に行いましょう。委託先選定時の物流コンペで、「こんなの聞いていない!」と言われないようにするためには?弊社の物流コンペ支援メニューでは、荷主企業の現状を全て可視化することからはじめます。

「委託先選定時に何から手を付けたらいいか分からない」と、お悩みの場合には、当社までお気軽にお問合せください。

Pen Iconこの記事の執筆者

田代 三紀子

船井総研ロジ株式会社 シニアコンサルタント

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