2017年海運業界の振り返り

船井総研ロジ

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物流コンサルの船井総研ロジ

   
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2017年ももうすぐ終わります。

そこで今回は2017年の海運業界と荷主動向を振り返りたいと思います。

2017年は船会社も荷主も過渡期であったと弊社は見ております。

まずは船社側ですが弊社が纏めました2017年の主な海運業界ニュースは以下の通りです。

4月
新3大アライアンス始動
商船三井世界最大2万TEU型コンテナ船竣工
欧米航路の年間運賃交渉・値上げで決着

5月
ドイツ船社(Hapag)によるアラブ船社(UASC)の買収完了

6月
米海軍駆逐艦と日本郵船のアジア船が衝突
サイバー攻撃によりデンマーク船社(Maersk)のシステム停止が発生
南米東岸(アジア→ブラジル)運賃が史上最高値を更新

7月
Ocean Network Express(ONE)設立
中国最大手(COSCO)が香港船社(OOCL)の買収を発表

8月
韓国外航コンテナ船社14社が海運連合(KSP)を結成  *Korean Shipping Partnership

10月
Ocean Network Express (ONE) 営業活動開始

11月
中国政府がMaerskのドイツ船社(Hamburg Sud)買収を承認
台湾船社(陽明海運)60億台湾ドルの増資を発表

激動の2016年の影響が続く中、2017年はアライアンスの再編、船会社の合併・買収の継続、そして邦船3社のコンテナ船部門の統合など集約は更に進み新たな枠組みがスタートした1年でした。

邦船3社の統合会社Ocean Network Express(通称ONE)は10月より営業活動を開始し来年2月からのシステム稼動・ブッキング受付、そして4月からのサービス開始に向け現在急ピッチで準備が進んでいるようです。

海外船社もニュースにある中国船社・韓国船社の動きに加え足元ではMaersk社(デンマーク)のドイツ船社(Hamburg Sud社)買収手続きが着々と進み、財務面で懸念のある陽明海運社(台湾)が増資を発表するなど船会社の合併買収や財務強化は引き続き進んでおります。

当社では以前もコラムで触れましたが今後も中規模船社を中心に合従連衡は続くと見ております。

一方、今年海運も絡んだ海外物流関係で荷主から相談の多かったテーマは下記の通りです。

■経営統合・合併買収後のあるべき海外物流体制構築とグローバルビッドの進め方
■アウトソースしていた海外物流業務・グローバルビッド開催を内製化する方法

まず多かったのは船会社のみならず様々な業界で起こっている経営統合・合併買収後の国内外の物流合理化・体制構築の進め方の相談です。

会社組織再編の流れの中で別々で動いていた物流体制をどのように合理化していくべきか?資本関係のあるグループ会社間の統合であっても物流体制や船社選定方法も異なり、加えて社風も考え方も違う中でどのような体制があるべき姿なのか?といったご相談を多く頂きました。

また外注から内製化の動きも今年多かったテーマの一つでした。

一昔前に流行りましたBPOや物流部門の分社・子会社化でしたが時が経った今、自社に海外物流や船会社との交渉に関する情報やノウハウが無くなってしまい戦略が立てられないといった相談も多くありました。

再び内製化するとしても何を自前し何を外部委託すべきかの考え方や打つべき施策のご相談も多く頂きました。

このようなに荷主も船会社も過渡期となった2017年ももうすぐ終わります。

来る2018年はどのような年になるのでしょうか?

当社が考える2018年の物流業界動向と荷主が取るべき施策は年が明けた1月の当社セミナー『Funai物流オープンカレッジ』で公開致します。

それではこの場をお借りしまして、本年も大変お世話になりました。

来年も船井総研ロジをどうぞ宜しくお願い申し上げます。

よいお年をお迎え下さい。

船井総研ロジ

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