物流経営コラム 最新更新日:2022.01.13

荷主企業との運賃交渉 適切なタイミングと具体的な進め方を解説

荷主企業との運賃交渉は、運送事業者が従業員の雇用を守るため、事業を継続していくためにとても重要な取り組みです。運賃や物流サービス面の見直しを行わないままでいると、来る2024年問題を乗り越えることはかなり厳しくなります。本コラムでは、物流業界の現状を踏まえた荷主企業との運賃交渉のポイント、取り組みの優先順位、具体的な進め方について解説します。

荷主企業への運賃交渉

燃料費の高騰、ドライバーの拘束時間削減、給与改定などを理由に、2022年こそは荷主企業との運賃・条件面の交渉をしようと考えている運送会社が多いのではないでしょうか?

しかし、

  • 「何を根拠に交渉をしたらいいのか」
  • 「口頭で伝えたが取り合ってもらえない」
  • 「どのくらいの金額を提示すべきか」
  • 「荷主企業との関係性を悪くしたくない」
  • 「正式な契約書がなく、提供サービスが不明確」 など

上記以外の理由も含め、運賃交渉に踏み切れていない企業がほとんどのようです。

運賃交渉の重要度を理解する

荷主企業との運賃交渉は、運送事業者が従業員の雇用を守るため、事業を継続していくためにとても重要な場面です。運賃や物流サービス面の見直しを行わないままでいると、来る2024年問題を乗り越えることはかなり厳しくなります。

また、荷主企業との運賃交渉は、感情論・感覚的な話ではなく、きちんと根拠のある数字を示して、進めていかなければなりません。

では、どのように運賃交渉を進めたらいいのでしょうか。ここでは、運賃交渉の成功率を格段に上げるために重要な、物流業界の現状を踏まえた荷主企業との運賃交渉のポイント、取り組みの優先順位、具体的な進め方を解説していきます。

運賃交渉の進め方

まず、荷主企業との運賃交渉までの流れを整理します。

①原価計算

交渉先を選定するために、荷主企業別・車両別・コース別に採算が取れているか数字で押さえます。

②運賃交渉先の選定

原価計算に基づき、採算が取れるラインを決めます。どの荷主企業に対して、いくら運賃を上げれば採算が取れるようになるかを算出します。時間当たりの生産性、距離当たりの生産性も一つの指標となります。

③運賃交渉資料の作成

運賃交渉には資料の作成が不可欠です。運賃交渉は、顧客企業担当者の承認だけでなく、顧客企業担当者が社内承認を得る必要性も考慮しなければなりません。資料を用意することで、社内承認をスムーズに得る確率を上げることができます。

運賃交渉資料に記載する項目

運賃交渉に使う資料の記載項目の一例を紹介します。

<相談事項>
 ・具体的な交渉内容(どのコースで、どのくらい値上げしたいのか)

<コストアップの背景・要因>
 ・燃料高騰の推移
 ・パートナー企業からの値上げ打診 推移(外注費用)
 ・車両関連費
 ・物量の推移

<業界事情>
 ・人員不足
 ・ドライバー人件費
 ・求人広告費

<自社の経営状況>
 ・直近3か年の収支表

<シミュレーション>
 ・直近三か年の実績をもとに作成した次年度の収支

<自社の取り組み事項>
 ・エコ運転、新卒採用、外国人採用、障害者採用、SDGsなど

また、顧客企業の担当者が業界のことをあまり知らないという事であれば、上記に「物流業界の現状や経営課題に関する補足資料」を添付するなどが効果的です。

【事例】運賃交渉に成功し利益率を8%上げた運送会社

大阪のある運送会社では、たった5年で利益率を8ポイント改善することに成功しています。利益率を大幅に伸ばした要因の1つが「運賃交渉」です。

上記項目を資料にきちんと落とし込み、5年前から運賃交渉を進めています。運賃・料金の改善提案を行うとともに、採算が取れない、交渉に応じてくれない荷主企業の仕事からは撤退するなど、荷主企業の入れ替えを行っています。新たな荷主企業を見つけるための営業を並行して行い、利益率の高い仕事を増やすことで、利益率を毎年上げることに成功しています。

適正な運賃で仕事を獲得するには

正しい進め方で、数字を根拠にした運賃交渉を行えば、成功率を格段に上げることができます。まずは、きちんと原価計算を行うことが運賃交渉のスタートです。採算が取れる荷主企業・車両・コースを見極め、どこから改善を進めるべきかを考えましょう。自社の現状と照らし合わせ、適正な運賃で仕事が取れるよう、運賃交渉を進めていきましょう。

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Pen Iconこの記事の執筆者

古田 和貴

船井総研ロジ株式会社

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