自動車運送業におけるホワイト企業の見える化－「運転者『職場の働きやすさ』認証制度」

この記事の執筆者

三村　信明

船井総研ロジ株式会社　物流ビジネスコンサルティング部　
チームリーダー　チーフコンサルタント

１９７８年生まれ。専門商社、大手経営コンサルティング会社を経て、２０１１年、船井総合研究所に入社。入社後は、生産財分野（製造業、建築資材メーカー、生産財商社など）、物流会社・運送会社を中心にコンサルティングを手がける。２０１８年７月より、船井総研ロジ株式会社に異動（２０１９年１月転籍）。運送会社・物流会社に特化して、人事制度の構築・運用支援、組織戦略立案を行っている。

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自動車運送業においては、ドライバー不足の深刻化に伴い、労働条件や労働環境を改善し、ドライバーの確保・育成を促進することが課題になっています。

そのような背景から、国土交通省では、求職者が安心して長時間労働の是正等「働き方改革」に積極的に取り組んでいる自動車運送事業者に就職できるよう、その取り組み状況を「見える」ようにする、「運転者『職場の働きやすさ』認証制度」を創設することが検討されています。

認証制度についての考え方は、

・自動車運送事業者の任意の申請に応じて審査を行い、認証を行う

・貨物自動車運送事業者安全性評価事業（G マーク）が主に運行の安全性に関して評価・認定し、主に荷主等へ情報提供を行うための制度であるのに対し、本認証制度は、主に運転者の労働条件や労働環境に関して評価・認証し、主に求職者へ情報提供を行うための制度として設計する

・認証に当たっては、業界の平均的な水準以上の水準を要求し、認証項目の達成状況に応じ、「一つ星」・「二つ星」・「三つ星」の3段階で、公募によって選定された中立的な民間団体が認証する

・認証項目の分類
A 不適切事業者の排除
B 労働時間・休日
C 心身の健康
D 安心・安定
E 多様な人材の確保・育成
F 自主性・先進性等

・労働条件の継続的な向上を図るため、認証を取得した事業者の時間外労働の改善状況などを踏まえ、数年後に認証制度の基準の引上げ等の見直しを行うことを検討する。

などとなっており、2019年夏頃に認証実施団体を選定し公表、年度内に運営開始することを目標としています。

認証制度については、今後より具体化が図られていきますが、荷主企業を対象とした「ホワイト物流」推進運動においても、認証事業者を取引先として積極的に選定するよう運動を進めていく流れを作っていくようです。