第47回 SLAが変える不確実性下における信頼関係の構築~SLAの導入事例その2~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号では、入荷における「Max値の設定」を行いました。

■納品(入荷)受付締切時間は月曜日〜土曜日の12時まで
■1日当たりの入荷数量は1000ケースまで

この上限設定を行う事により、荷主・物流の双方がいくつかの注意点を 顕在化する事ができます。

1.『荷主物流部の注意点』

(1)12時を超過しないセンターへの入荷体制(手配)が必要
⇒工場・ベンダー(仕入先)等への指示及び徹底

(2)日当たりのセンター入荷量の把握(1000ケースを上限)
⇒全ての手配商品の数量を管理する
⇒工場やベンダーへの発注及び事前発送情報の取り纏め
⇒事前入荷予告データの作成

(3)緊急品やイレギュラー処理の確認
⇒商品部や営業部との情報連携

2.『物流企業の注意点』

(1)入荷予告データに基づいた適切な人員配置
⇒通常の配置人員で可能か
⇒増減体制の構築

(2)入荷方法(海上コンテナ・貸切便・路線便など)による受付体制
⇒入荷方法によって、作業時間や作業場所の事前割り振りが必要

(3)時間当たり、一人当たりの作業処理時間や単価の把握
⇒ムダの無い人員配置体制

これらの取り決めにより荷主・物流企業と双方が、注意点の洗い出しが 可能となり、超過に対するリスクを回避する明確な設定数値がわかります。

この項目で取り決め内の事象は、『12時』『月〜金』『1000ケース』となり、荷主は超過しない事であり、物流企業は範囲内の入荷を受け付けるこになります。

取り決め(ルール)を明文化する事により、双方の責任とリスクが明確になる事がSLAの特徴です。また、そのルールを導入する事により日々の運営についての適切な評価が可能となります。

■SLA導入=定量データによる、物流センターの評価体制構築

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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