第4回 在庫削減のポイント(1)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

在庫削減を行うには、まず自社の在庫が過剰である共通認識が必要です。  

購買・物流・販売・情報システム・(生産)など在庫が過剰となりえる原因や要因を関係者全ての“問題”として捉え、正常から過剰(現状)に至るプロセスを分析して改善を実行しないと、瞬間的な削減はミクロ最適が発生しマクロ的な『正の軌道』には発展しません。  

在庫は『コスト』と同じように考える事によって、改善の手法は明確にロードマップを描く事が可能となります。  

①現状把握
②問題点の分析
③コミュニケーション体制の確立
④改善実行
⑤検証及びPDCAのサイクル化  

ここで、とても重要なのは③の「コミュニケーション体制の確立」です。  

まず、誰が在庫を管理してその責任を負っているのか?を明確にしないといけません。

在庫の問題を相談に来られる企業の大半が、この責任の所在が不明確です。

発注は購買部が行い、管理は物流部であり、削減で頭を悩ませているのは、経営企画…などとこの社内体制の不備を認知して、関係者全員の課題とする事によって、改善への第一歩は成功と言えます。

販売(営業部門)を加えた“製販物情”のコミュニケーション体制こそが在庫削減のミソでもあり、成功のコツと言えます。

このコミュニケーション体制や協力体制の弱い企業は、定量的な分析による削減手法やシステムによる解決依存心が強くなってしまい、削減後のPDCAが継続できない一元的なイベントになってしまいます。  

最後に、「在庫を出来るだけ少なく持つ」の思想を『販売する為に商品を流通する』と考える事によって、在庫のあり方は変わってくるのではないでしょうか。

次回…在庫削減のポイント②

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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