第286回 2016年は”丙申(ひのえさる)”の年(4)〜評価基準策定その1〜

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

3月も残り1週間を切り、今週末は4月(卯月)となります。

来週からは新年度・新学期・新商品・新入社員など【新】という言葉が日常生活の中であふれることでしょう。

日本企業は、外部に対しての「新」は強く求めますが、自社における【新】はあまり得意ではないとよく言われます。

物流の領域に置き換えると、物流委託先(アウトソーシング先)に対しては、常に「改善」や「提案」など【新】を求めます。

しかしながら、自社の「改善」や「改革」はあまり積極的ではありません。

自社の古くからの考え方や、やり方を、違った視点や切り口へ変えることには、かなりの反対や抵抗があります。

特に事務作業や現場作業などルーチンワークと言われるプロセスに関しては、その傾向が強いように感じます。

その理由は、慣れ親しんだ業務手順を変えることが、自分自身にとってマイナス作用が発生すると考えられるからだと思います。

特に、これまで成功してきた企業や、現在成長過程に乗っている企業ほど改善・改革に弱腰であると感じます。(今まで通りにやっていれば、問題ないのだから・・・といった感じです)

外部環境を敏感に感知し、積極的にイノベーションを図らないと、かつての強みが弱みに転化してしまうこともあります。

この現象を「能力の罠」と言います。

世の中はイノベーションに満ちあふれています。

改善・改革・進取は「諸行無常」の世の中には必要不可欠ではないでしょうか?

前置きが長くなりましたが、今回は「評価基準策定」というテーマです。

荷主企業が物流を外部へ委託(アウトソーシング)している場合、定期的にその委託先を評価する必要があります。

物流サービスを評価するには、一定の評価基準が必要です。

我々コンサルティング会社が物流企業を評価する場合、以下の大項目を掲げて、注力するポイントへ落とし込みを図ります。

1.物流事務対応力
2.現場オペレーション力
3.物流IT力
4.配送及び配送管理力
5.改善実行力

上記5項目は、一般的にどこにでも活用可能な物流委託先の評価軸となります。

評価というものは、定量化が図れるものは客観的に判断できますが、そうでない定性的なものについては、どうしても評価者の主観が強く作用します。

そこで、定性面の評価を可能な限り非主観化させる手法を「定性評価モデル」として自社で作成することをおすすめしています。

次号は物流委託先に対する「定性評価モデル」の事例と、評価手法についてわかり易く解説致します。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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