第243回 物流コンペ成功のキーファクター2

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今号から、物流コスト削減施策のひとつであります「物流コンペ」を成功に導くための手法を公開いたします。

■物流コンペを成功させるためのキーファクターその1【現状分析】

まずは適切に自社の現状を知ることです。

現状を正確に把握し、整理することなくしては、外部の委託先へ要件を伝えることができません。

自社の現状を精緻に分析したうえで、次なる目標を定めることが可能となります。

現状を明確に把握し、課題や問題点を抽出していきます。

現状分析を行うには、「定量分析」「定性分析」が必須となります。

■定量分析

定量分析の対象は、数値化された全ての物流に関わるデータや取り決め、約束毎を指し示します。

ほんの一握りの例を以下に掲載します。

・保管数量、容積、重量
・取扱SKU数
・入荷数量、出荷数量
・入荷SKU数、出荷SKU数
・在庫回転率
・返品数量
・契約単価
・受注及び出荷締め切り時間
・在庫差異、誤出荷数
・地域別発送リードタイム
・商品別納品リードタイム

まだまだたくさんあります。

ここに掲げた項目は現状分析を行うための代表的な内容だけです。

これらの現状を数値化したものを、必要なデータとして再加工したものが現状分析のアウトプットとなります。

現状分析の精度や緻密性が、次の展開へと繋がりますので、極めて重要なプロセスとなります。

定量分析はその企業の実績や将来予測を数値として明確にするための分析です。

■定性分析

物流に関することで、数値化できないものは定性分析を行います。

関係者各位はヒアリングを行ったり、物流現場・生産現場などを視察したりします。

定性分析からは、主に各企業の課題や問題点が浮き彫りにされます。

その対象は企業トップに始まり、各部門の幹部及び担当者など広範な方の意見や考えを活字として明確にします。

ここで重要なことは、社内や部門の壁(セクショナリズム)を乗り越えることです。

物流部門だけのプロジェクトでは部分最適に終わってしまい、企業全体を良化する全体最適にはならないケースが少なくはありません。

・・・次号へ続く。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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