第240回 物流サービスの対価その5

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今シリーズは、荷主へ提供される物流サービス対価についての考察いたします。

前号から引き続いて、物流サービスの適正なコストを分析する手法を考えます。

物流購買価格の適正さを判断するには、以下二つの視点が必要です。

  • (1)市場価格が形成されているサービスか?
  • (2)特定もしくは差別化されたサービスか?

(2)特定もしくは差別化されたサービスの中で、今回は差別化された物流サービスについて考察いたします。

まずは「差別化された物流サービス」の定義を明確にしましょう。

差別化とは、独自性を際立たせ自己の唯一性をアピールすることであり、同業他社や 競業各社に対して自社の優位性を明確に比較することです。

それでは、物流サービスのなかで先ほどの定義にあった「唯一」もしくは「唯一性」の高い サービスとはどのようなものなのでしょうか?

唯一と言い切れるサービスはあまり存在しないので、唯一性の高いサービスの事例を抽出してみます。

ペット専門輸送 ISOタンク輸送 ツーマン配送半導体などの精密品物流 営業活動を兼務した配送

いかがでしょうか?

皆様にも多少は馴染みのある項目と、標記している記述だけでは理解できない 項目もあるのではないでしょうか。

いずれのサービスも物流との連携はありまずが、汎用性が低く特殊であり唯一性の高いもの です。

これら5項目については、市場価格は形成されて非ず料金などの取り決めは相互間による 相対での話し合いで決定するプロセスとなります。

市場価格が形成されていないサービスは、サービス提供者の視点で行うコスト積み上げ方式 が原価の基準となります。

唯一性の高いサービスにおいて、供給サイドが積み上げたコスト(原価)の適正化を需要サイド (利用者)が適正に評価することはできるのでしょうか?

その答えは当然YESです。

しかし、適正化を評価するにはかなりの専門的な知識が必要となります。

そのサービスの全体像を把握し、構造やスキームにおけるキーファクターを理解しないと ならないからです。

・・・次号へ続く。

ご意見やご質問などございましたら、いつでもお気軽にどうぞ!

akamine@f-logi.com (アカミネセイジ)まで

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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