第239回 物流サービスの対価その4

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

今シリーズは、荷主へ提供される物流サービス対価についての考察いたします。

物流購買価格の適正さを判断するには、以下二つの視点が必要です。

  • (1)市場価格が形成されているサービスか?
  • (2)特定もしくは差別化されたサービスか?

(2)特定もしくは差別化されたサービス 物流業界における特定とはどのようなサービスを指し示すかといいますと、 例えば、鉄道車両や橋梁などの重量物輸送が該当します。

次に絵画類や宝石類 などの貴重品輸送なども特定輸送サービスと言えます。

保管や荷役に関係する例としては、血液保存や煙草・塩・お米なども特定サービス に分類されます。

※最近では米穀類の保管は流通チャネルの進化によって、変わってきたようです。

これら特定サービスの市場はかなり限定的であり、参入障壁の極めて高い物流 サービスです。

サービスを求める需要も非一般荷主であり、サービスを供給する物流会社も限定されたプレイヤーが従事しています。

限定された市場で非一般的な荷主と限定された物流企業の間では、市場価格は 形成されづらく、多くの場合コスト積み上げ方式によって価格が決定します。

この方式が成立する理由は、提供される役務や業務の難易度が高く、誰にでも対応できない物理的な要因が大きいからです。

特に、多額な設備投資資金が必要なケースが参入障壁の高さとなり新規参入を阻んでいるもの推測されます。

もっとも、規制緩和や市場環境の変化、さらに荷主からのコストプレッシャーはこれら特定サービスにも影響を及ぼしていますので、平穏な状況ではありません。

特定サービスを購買する荷主の立場にいる場合、市場価格が不透明なサービス の価格妥当性を判断するには、コストの分析を行うことが肝要です。

ではどのようにして物流サービスのコストを分析すればよいのでしょうか?

・・・次号へ続く。

ご意見やご質問などございましたら、いつでもお気軽にどうぞ!

akamine@f-logi.com (アカミネセイジ)まで

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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