第230回 物流企業の成長戦略2

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流企業の成長戦略を考察するには、約65,000社と言われている全体をひとまとめにすること には無理があります。

大資本の国際複合一貫輸送が実現できている大手上場企業から、年商数億円の地場運送業 に至るまで、その企業形態は一言では表せないほど、大きく幅があります。

大企業の成長戦略は、out-out及びout-inをを絡めた国際複合化の拡大となります。

中でも、世界最大の生産地であり最大の消費地でもある中国は、物流業界においても世界で 一番貨物が動く最重要国となります。

因に平成23年度貿易統計(財務省発表)資料によりますと、日本の輸出総額65兆5千億円、 輸入総額68兆円です。

対中国では、輸出総額12兆9千億円(19.6%)・輸入総額14兆6千億円(21.4%) と輸出入ともに最大の貿易相手国となります。

船井総研ロジの試算では、中国からの輸入品14兆6千億円から国内物流費を割り出すと、 約7千300億円となります。

※原材料・中間材・完成品と細かく分類をしたうえで、各々の国内物流費を概算で算出して いますが、あくまでも参考金額です。

この7000億円の国内物流費にどれだけ自社のサービスが提供できるかが、今後の成長戦略 のひとつとなります。

対中国の輸入総額は約10%の伸びを見せており、今後も一定規模の成長が窺えます。

国際複合一貫輸送を手がける大手物流企業は、3PLを駆使した元請けを狙って熾烈な受注競争 を繰り広げていくことになります。

対中国ビジネスの受注キーファクターとしは、中国国内における現地法人の拡充及び代理店網の拡大です。

現地における付加価値サービスや営業ネットワークは欠かせない機能となります。 営業担当者の語学力強化や人員増強は必須となり、大資本だからこそ選べる戦略となります。

では、国際対応の出来ない中堅もしくは中小物流企業はこの7000億円の物流マーケットに関わりがなく、他の戦略を考えないといけないかと言うとNOであり、今後狙うべき有望な 開拓市場なのです。

次回に続く…。

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akamine@f-logi.com (アカミネセイジ)まで

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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