第226回 ポスト3PLの時代(24)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介 します。

A紙が抽出した物流に関わるリスクは以下の4点である。

  • (1)コストアップリスク
  • (2)品質低下によるクレーム増大リスク
  • (3)委託先との取引継続リスク
  • (4)災害等による物流機能停止リスク

これらのひとつひとつを考察してみることにした。

(1)コストアップリスク このリスクは、原油高騰や物価高騰などの市況変更によるものと、物流業務を委託 している物流事業者からの料金改定(値上げ)リスクなど外部環境変化によるもの がある。

もうひとつは、自社の販売方法が変化したり、商材が変化して物流費に影響を及ぼす 内部環境変化によるものである。

外部環境変更リスクには、GDPや金利などマクロ指標に物流コストが連動して高騰 するリスクがある。

ネット通販業は現在、市場が成長トレンドであり、今後もますます増大することが予測 されている。

新規参入者も続々と現れ、より一層競争環境の激化は避けられないことと、 更なるコストダウンは必定である。

物流センターでは、企業規模の成長と比して要員確保が急務となり、良質なセンター スタッフの確保は今後の懸念事項でもある。

外部企業へアウトソーシングをしているとはいえ、賃金高騰は荷主のリスクとして 認識しておく必要がある。

次に、物流委託をしているアウトソーサーからの値上げ要求リスクを考える。

燃料高騰による運賃アップリスクは、市況によるものだが個別取引としての運賃値上げ は想定できる。

運賃以外にも、作業単価は最初の取り決めがあっても、物流企業から 一方的に値上げを要求される事例も少なくはない。

何が原因で値上げが想定されるか?をリスクとして想定のうえ、それを回避できる 方策を立てておくべきである。

内部環境変更リスクは、自社の環境変化によるものである。

在庫量が増えたり、商品の大きさやsku数に変化があった場合は、料金もアップする ことがある。

チラシの同梱や、複数商品の同梱手法なども、ルールを策定しておかないと作業価格へ 影響を及ぼすことが十分にあり得る。

次号に続く…。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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