第223回 ポスト3PLの時代(21)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介します。

SLA(サービスレベルアグリーメント)とは、いったい何なのだ!?」

コンサルタントB氏からの資料を読み込んだA氏の率直な感想である。

SLAの概要については何となく理解できたが、物流契約においてSLAを取り決める定義が今ひとつすっきりとしない。

物流業務の委託とは、物流センターの運営や配送管理、配送そのものを指し示しているので、品質や水準などは運営を開始してから向上するように改善をすればよいのではないかと思っている。

当然のことながら、在庫の差異率や誤出荷率などは低ければ低いほど良いセンターだと認識している。

コンサルタントB氏の資料によれば、品質を求める作業は物流事業者にとっても”タスク”であり、タスクは数値化して管理することと書かれている。

具体的には、作業に費やす時間であったり、時間当たりの作業数などが項目として記載されている。

また、数量に関わるものとして総量や最大値・最小値なども品質に関連する管理項目とされている。

事例のなかで、以下のモデルケースがあった。

前提条件1
・作業単価(料金)は同じである

前提条件2
・受注締め切り時間がそれぞれ違う
X社・・・13時と15時の2バッチで当日出荷対応可能
Y社・・・14時と16時の2バッチで当日出荷対応可能

「あなたの会社にとって、どちらがメリットがあり、あなたの会社へ収益機会を
創造できますか?」

「あなたの顧客にとって、どちらがメリットがあり、顧客にとっての利便性が
高いサービスですか?」

あえて考えるまでも無い質問である。

最後に記載されていた一文が、A氏の胸に深く突き刺さった。

「これがSLA(サービスレベルアグリーメント)です。

顧客にとって、最も利益や利便をもたらすための、取り決めを行うことがSLAの本質なのです」

次号に続く…。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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