第219回 ポスト3PLの時代(17)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介
します。

業務委託契約・運送契約・倉庫契約とそれぞれ別々の法人と契約をし、分離発注を実施したA氏であったが、業務設計を進めるうえで大きな課題に直面した。

コンサルタントB氏が主体的となって新体制における業務フローを作成するタスクを立ちあげた。

タスクチームは、物流管理部門A氏とコンサルタントB氏及び情報システム部門・営業部門のメンバーから構成された。

各メンバーはそれぞれ行程を分担し、綿密に商流と情報と物流の各フローをまとめた。

経営理念や基幹システムが変更するわけではないので、比較的順調にフローは完成したが最後に看過できない大きな課題が見つかった。

それは、完成した業務フローを仕上げるためのミーティング時に、コンサルタントB氏より以下の発言があったからだ。

「それでは皆さん、各プロセスにおける責任部門を追記してください。」

それぞれのプロセス(行程)は、行動であり人もしくはシステムが携わっている。

当然「誰」「どれ」「いつ」など区分は明確になるはずで、簡単にその作業も終わると思われたが、責任の業際が不透明なプロセスや繋ぎ部分が、かなりの数見つかった。

特に、受注と物流の繋ぎや自社と外部委託先との繋ぎの部分がとても曖昧であり、改めて仕切りを行わないとこのままでは先に進めない事態となった。

ここで、物流アウトソーシングを分離発注した課題がクローズアップされた。

情報システム部門メンバーから、「どこかの企業へ元請けを一元化しておけば、それぞれの企業との業際は発生しないのでは。

ひとつの物流プロセスがパラレルに複数の外部企業と繋がっているこのスキームは問題ではないか?」

再びA氏は頭を抱えてコンサルタントB氏に向けて懇願の視線を投げかけた。

次号に続く…。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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