第217回 ポスト3PLの時代(15)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

前号に続き、Web通信販売企業A氏から相談された「物流コンペ」の模様を紹介します。

これまでのあらすじは、物流企業へ物流アウトソーシングを実行していたこの通販荷主は、更なるコストダウンと品質の向上を目指して「物流コンペ」を行うことになりました。

物流責任者のA氏が中心となって、大手物流業を含めた複数社から提案を受けたA氏でしたが、本質的な物流アウトソーシング手法や、「3PL」の定義について理解が不足していたことなどによって、既存委託先や新規の物流企業のとの間で大混乱を招いてしまいました。

そこで、大混乱の事態を危惧した荷主経営陣から当社へ相談がありコンサルタントB氏が担当となって解決に向けたプロジェクトが行われています。

苦境に立たれた大手Web通信販売業の物流責任者A氏と、緊急出動を依頼された当社コンサルタントB氏の課題解決に向けた続編をお送りいたします。

コンサルタントB氏は、「3PLを起用するといっても、委託業務範囲や契約手法など、適切に進めないと将来に渡ってリスクを残してしまいますよ」とのこと。

コンサルタントB氏からは、以下の3点を経営方針としてまず決めるべきこと、と指導された。

①委託業務範囲の明確化
②物流資産に対する設備投資の有無
③一括契約or分離契約

これまでコンサルタントB氏からの指導は、3PLを起用するといっても、全ての業務を一括で一社へ委託するのではないことは口を酸っぱく言われ続けている。

A氏もその理由はようやく理解できたつもりなので、早速社内へ上申するための資料を作ることになった。

資料の土台はコンサルタントB氏が作り仕上げをA氏が行うこととなった。

上申資料の内容は、

①今後の物流体制について(収益力強化のためのコストダウン施策)
②当社が必要とする物流機能及び物流資産について
③物流業務の委託範囲について
④委託先選定の手順と進捗状況について
⑤今後のスケジュール

5項目にまとめ、無事にA氏の上申通りに今後進めることになった。

次号に続く…。

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

その他の記事を読むArrow Icon

ページの先頭へ