第17回 現状把握~コスト・品質の可視化~

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

物流業務のアウトソーシングの計画が策定されたら、まず最初に実施しておかないといけない事があります。  

それは、自社の物流業務についての正しい、『現状把握』であります。  

物流全体の構造と業務フローをまとめ、コスト・品質を可視化しておかないといけません。  

特に、品質の可視化は重要事項となります。  

コスト面は、当然の事ながら現状把握は出来ているでしょうが、品質面の数値化が把握できていない企業は多く存在します。  

自社で管理・運営している物流業務についてこの『品質の可視化』こそがアウトソーシングを成功に導く、最重要事項となります。  

実際にどのような項目を可視化しておけばよいのでしょうか。その企業毎によって可視化しておく項目は様々ですが、代表的なものを参考に列挙します。

  • 在庫差異率  
  • 在庫差異金額  
  • 誤出荷率  
  • 調達リードタイム  
  • 出荷リードタイム  
  • 配送ミス率  
  • 最大入荷数量、最大出荷数量  

これら、品質についての可視化(=数値化)を把握することによって、 アウトソーシング先の業務レベルを検証する事が可能となります。  

品質の可視化が出来ると、SLA(サービス・レベル・アグリーメント)の締結が可能となり、継続した品質向上が出来る体制となる訳です。  

最後に、自社の業務フローを1枚に紙にまとめる事ができれば完成です。  

調達物流・社内物流・製品物流と大きく分けると3つの形態がありますが、その3つの全物流を1枚の紙にフロー式にまとめ、コストと数値化した品質を書き込めば、自社の物流そのものが可視化されより判りやすい物流管理が可能となります。  

成長企業は、あらゆる社内情報を共有しています。専門部門や専門部隊だけが、情報をクローズしていては、スピード時代の現代経営には取り残されていくのではないでしょうか。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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