第315回 “スマート・ロジスティクス”まずは、スマート物流センター(1)

Pen Iconこの記事の執筆者

赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

西日本方面への幹線車両(トラック)が著しく不足しています。

先の西日本豪雨の影響で、JR貨物によるコンテナ輸送が大減便となり、代替輸送はトラックに頼らざるを得ない状況です。
※JR貨物も早期に迂回ルートを設定するなどかなりの努力はしています。

一方で、中長距離輸送のトラックドライバー不足は今のところ解決の糸口は見つかっていません。
九州方面への幹線トラックは既に取り合いが発生しています。

この現象は年末まで続くものと思われますので、今年の年末対策は早めに取り組む必要があります。
貴社の元請け物流会社は、対策を打たれていますでしょうか?
物流戦略の策定はこちらです。
https://www.f-logi.com/ninushi/service/strategy-planning/

荷主企業として考えられる方策は、内航海運による大量輸送と在庫の積み増しぐらいでしょう。
在庫数量0.5か月~1か月を実現できている荷主企業も、西日本方面(特に九州・中四国)においては150%から200%の在庫積み増しは不可避かと思われます。

さて、ここから本題です。

物流は時代とともに変化し続けています。
「ロジスティクス4.0」は今、物流業界で急速に変化しているイノベーションの概念です。

これまでの変革を整理しましょう。

(1)ロジスティクス1.0 輸送の機械化、大量輸送化、グローバル輸送化
(2)ロジスティクス2.0 荷役の機械化、自動化、コンテナ輸送化
(3)ロジスティクス3.0 物流のシステム化、IT化、見える化
(4)ロジスティクス4.0 スマートロジスティクス化、省人化、超合理化

これからのロジスティクスは、IOT技術によって、単体として機能していたあらゆる物流機器やシステムが繋がります。
AI(人工知能)がその管理・制御・統制を図ることになりますが、物流業界にAIが普及するには、まだ少し時間がかかると思われます。
※その理由は筆者の講演セミナーなどでお伝えしています。

スマートロジスティクスの先駆けとして、最初に取り組まれるのは、“スマート物流センター”化です。
インターネットの高速化・大容量化が進み、頭脳であるシステムと、身体となるマテハン機器が、ひとつのクラウドシステムで繋がります。

これから以下のことを想像してみてください。

顧客から受注管理システムが受注データを受信し、その1時間後には、委託先の物流センターで配車が完了し、増便手配とドライバーが確定します。

このドライバーはアルバイト・ドライバーで、週に1回勤務します。
物流センターのピッキングも、管理コードNoXXXXXの赤峰さん(仮称)がピッキングをすることが決まっています。

赤峰さんは優良ピッカーなので、ノー検品ラインで自動梱包されます。
同時に、この引き当て処理により補充予測システムが発動し、仕入れ先への発注指示が飛んでいます。

こうなると、もはや人はいりませんね。
物流部や物流センターにおける管理人員・スタッフは大幅に減員されます。
次回はこの仕組みを解説します。

「第13回国際物流総合展」出展のお知らせ

9月14日の15時40分から筆者の講演(30分)があります。
お時間のある方は、是非お立ち寄りください。今回の講演テーマは、「物流時流2018年下期2」です。

この日の午後は、筆者も船井総研ロジブース(出展しています)へ詰めておりますので、お気軽にお声がけ下さい。

ご予約頂けましたら、会場で無料相談会(30分)を行います。
※2~3社様のみ
国際物流展ブースでの無料相談会のエントリーはこちらです。
info@f-logi.com

■ドライバーの新規採用は、正しい手法で募集活動が出来ている企業と
そうでない企業とでは、歴然と差が出ています。
新規採用と定着化に注力しているトラック会社は、着実に毎月増員され、堅実に成長しています。
貴社の委託先(物流会社)は大丈夫でしょうか?

※セミナー参加のお申込みは、お早目にお願いします。参加枠を超えた時点でエントリー終了となります。

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赤峰 誠司

船井総研ロジ株式会社 取締役 常務執行役員

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